『シャッターアイランド』

自分でもなにが気に入らないのかよくわからなかったので10分ほど考えたが、どうもスコセッシは願望充足を観客に提供するつもりがないようなのだ。スコセッシの映画で好きなのは『カジノ』だけで、これは前半のアホみたいに成り上がっていくところが無性に楽しいのだった。


だから、この映画の真反対の内容の『陰謀のセオリー』のほうが、『シャッターアイランド』の何倍も面白いと思うのだが。


過去の映画にすすんで囚われて映画をつくったり、既成音楽からBGMを構成したり(これの源流はキューブリックかな? フォロワーはタランティーノ)、へんに強迫神経症的なのはラース・フォン・トリアーと双璧だな。


そういえば『タクシードライバー』で、最後に女を振るのも、わかるけど、つまんない話だなあと思うのだ。やっちゃえよ、と。