伊丹十三と岸田秀

『「哀しみ」という感情』売っちゃったんだ。伊丹について何といっていたか。誰か教えてよ。あと岸田は『日本がアメリカを赦す日』で大江を名指しで論評している。これは意外だったな。なんかタイトルも『みずから我が涙をぬぐいたまう日 』みたいだし。大江は岸田について『取り替え子』などで名を伏せて非難している。

本屋で読んだ。自分が世界のはじっこにしがみついていて、世界からおちこぼれないように努力する、か…。大江のことを岸田は偽善者とおもっているようだけれども、べつの見方もできるのではないか。少年期を四国で育ったこの三人は、この世代にしては戦災を経験していない。大江は、そこらへんの負い目から平和運動に打ち込んだのではないだろうか。大学卒業後すぐに専業作家になった不安をぬぐうよりしろとして平和運動にたよったという側面もあるかもしれない。