『サマーウォーズ』

犬神家の一族』のアオヌマシズマがわりといいやつだったら、みたいな話。とはいえ身内のなかで話がまとまりすぎ。現実社会のインフラストラクチャーにリンクしているSNSなんて恐ろしいものを、果たして人類は可能であったとしても実現するだろうか。運営初日にテロリストがハッキングを仕掛けると思うのだが。陣内家の周囲が水田かなにかで人家が見当たらないあたりは、夢の風景のようで、ああこれは夢物語なのだなと思った。ユングの世界。人工衛星が落ちたくらいでは太母の領域はびくともしない(『バットマンビギンズ』の、ブルース・ウェインラーズ・アル・グールに父の領域であるウェイン邸を「破壊させる」物語と対照的)。あとは、医者である親戚が、ケンジに向かって性交渉したのかどうか尋ねるあたりがちょっと面白いと思ったくらい。壮年期の男たちのキャラクターの描き方が足りないのが印象に残った(子供を作ったばかりの男たちは陣内家に行けないのだ!)。『アバター』と同じく、男が外堀を埋めて女が決める。最近多いな、こういうの。もうすこしエロい映画にすればよかったのにというのが感想。