『ガキ以上、愚連隊未満。』

ガキ以上、愚連隊未満。

ガキ以上、愚連隊未満。

ラサール石井とははたち前のころから交流があったらしい。『パッチギLOVE&PEACE!』の不思議な扱いも納得である。北野武とも面識があって、井筒の企画(野球少年のなれのはての中年が甲子園の高校野球にもぐりこむ)を北野はけってやくざ映画へ、そして『その男、凶暴につき』へ流れていった。

映画業界が混沌としていた時期に、うまいこと車線に進入して、でもスピルバーグのようにまではいかなった、という、この人は希有な存在だった。心酔していた大島渚がワイドショーのコメンテーターになったことが、あるいは後年の自分の身の振りかたの参考になったのか。

テレビと映画は違うという、明確な哲学をもった最後の世代ではないか。私などは、映画はテレビと違うことを、頭ではわかっているが、心ではどうかと自問すると、さあ、あやしいものだ。