言語

戦争の被害にたいする不満というのは、結局のところ、支配層の言語と被支配層の言語の齟齬にあるのだなあと思う。政治とは、言葉のことなのだろうなあ、と。

内訟録―細川護熙総理大臣日記

内訟録―細川護熙総理大臣日記

宗教とは何か

宗教とは何か

夜と霧 新版

夜と霧 新版

また立ち読み。イーグルトンのは、気に入りそうな雰囲気だったが、いざ読んでみると意外にも、あまりピンとこない。民主主義にゆだねると簡単に宗教が復活しそうな現状に、ドーキンスはいらだっているはずなのだが、イーグルトンはここまで読んだ範囲ではそのことに言及していない。若い世代が聖書を読んでいない(それなのに聖職者のしめす方向になびいてしまう)というドーキンスの観察を、神学にかなりくわしいらしいイーグルトンはふまえていないのだ。戦後の大衆化が安定しだしたここ最近の社会は、実は歴史上例をみないものなのだ。そのことをもういちど確認したほうがいいのではないか。