「大乱歩」について(大について)

『偉大なる夢』を読もうと手にとった講談社版の乱歩全集の第十三巻(昭和五十四年)に、「江戸川乱歩と心理学」(大内茂男)という短文があって、

その第二は、精神分析学者で性科学研究家、怪奇小説の作家でもあった高橋鐵のエッセー「大乱歩の精神分析」(「別冊宝石・江戸川乱歩還暦記念号」昭和二十九年十一月)で、乱歩をサディストにしてマゾヒストなりと分析し、乱歩の提唱した”隠れ蓑コンプレックス”を精神分析学上の新発見と称揚している。(295ページ)

という記述が見える。