要するに良心の問題

宮崎さんがイーグルトンの『宗教とは何か』について長文を書いていたが、ミスタッチが直されないのがぽろぽろあってなんだか心配になってしまう(黒古さんを彷彿するわけ…)。

アメリカという存在が、多くの人の「良心」をうずかせる。アメリカについてついコメントしてしまう。それがドーキンスやイーグルトンのような長文に発展することもある。ただそれだけのこととしか思えない。

個人的には、政治をするのではなくて考証をしよう、考証こそを新たな政治へと格上げしよう、とただただそれだけを思うのである。これは実は小谷野さんの受売りなのだが、小谷野さん自身がたまに妙なかたくなさにしがみついて駄々をこねる(藝術や看護婦、イディオサヴァンへのこだわりなど)。妙なことを言っておいて平然さを通すことが、要するに政治である。「あやまちはくり返しません」とか「北方領土は日本固有の領土です」とかね。

アメリカこそが「いい面の皮」である、と思ってしまうのだよね。ただただ、いやなのならアメリカに付き合わなければいい、と思うのだ。本当は、多くの人の感覚が間違っていて、アメリカ人以外の人々が卑怯なのである。なんだか「日本以外全部沈没」みたいだ。

アメリカと付き合って、自分の生活の厚生を得ているくせに、アメリカの道徳を非難したくてたまらない。ヨーロッパや日本の知識人こそが精神分析の対象になるべきなのである。