思想、四千年も一瞬に

ブックオフ佐藤優の『獄中記』をぱらぱら眺めた。佐藤は頑張れば本を一日1500ページ読むことが出来ると述べていて、途方もない気がした。しかし、べつのところで佐藤が思想における毛沢東スターリンの違いや、どちらが好みなのかについて述べるくだりを見て、私ははっとひらめくものがあった。

思想には重量がないのだ。数学や電子回路の本のように、必要な単語を覚えて語彙を増やしていけば、難なく大量に数をこなすことが出来るのだ(というより、大量にこなさなければ話にならない)。佐藤が好んで取り寄せた本は思想書ばかりなのであった。

私は思想も数学も大の苦手なのだが(そういえば音楽もそう)、どちらも、「まずは必要なあれこれの語彙を習得して、しかるのちその応用を研究すること」で成立する学問である。前段で躓くんだね。