『踊る大走査線3 ヤツらを解放せよ!』

シリーズが長期化しているため、世代交代の布石をうつエピソードとしてつくられたようだ。新しいエリート側のライバルとして小栗旬が登場している。

すでに死去しているいかりや長介の役の甥として、伊藤淳史が起用されている。いかりやの役に相当するポジションは今回は空白のままだが(いかりやの声が「出演」する)、ここにこそのちのち織田裕二が据えられるのだろう。

その織田裕二は、今作ではなんだか鹿賀丈史に似てきた。きりっと締まった口元をみせる演技で中年期に入った自分を演出しようということか。

映画版シリーズ一作目の小泉今日子がラスボスとして再登場する。今回のテーマは「生と死」。各キャラクターが生きることと死ぬことに対してそれぞれの意見を披瀝することがストーリーを推進するきっかけとなっている。

ストーリーそのものは、『ダークナイト』オープニングシーケンスの「仲間を裏切りながら銀行強盗する」ネタを応用したもの。小泉の役が、精神病院から実行犯を遠隔操作した(一度病院から出ているらしいが)くだりは、これは『レッド・ドラゴン』で、ハンニバル・レクターがフランシス・ダラハイドを使嗾してウィル・グレアムを殺そうとしたエピソードの応用なのかもしれない。

そうそう、おれの有紀は、この映画では、ホットドッグをほおばる姿が超かわいいのであった。