『日本の文化ナショナリズム』

 地元図書館の蔵書に鈴木貞美著がどれだけあるか検索していたら、この本があって、ちょっと呆然とした。もちろん小谷野さんに『日本文化論のインチキ』があるからである。しかし鈴木著は2005年12月刊だ。

 のっけから「黒澤明監督作品をはじめとする日本のチャンバラ映画」という表現があったりして、危ない危ない。チャンバラ映画って、ふつうは戦前、あるいは1950年代から60年代にかけての東映が量産した様式的な殺陣を出し物にした時代劇のことでしょう? アメリカ人がセブンサムライをリスペクトしているらしいのは聞いたことがあるけれど、バンツマとかチエゾーとかまで知っているのか?