2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ドクサの問題、生き物としての「私」が逃れられない所懐というもの

志賀直哉を読み出しているので、やはりフランス語公用語発言は、ちょっと考えてしまう。昨日、本屋で、蓮實重彦『反=日本語論』の、志賀に関わる部分をさっそく立読みもした。「思ったから思ったんだ」。脳というのは、人にもよるが、確信をもちやすい器官…

すごい夢

『悪魔くん千年王国』と『鬼太郎夜話』を読んで寝たら、ものすごい夢を見た。湿地帯で、子供らが、戦争ごっこをしていて、その子供たちのひとりが私である、という夢なのだが、実在感が尋常ではなかった。これは、今、書きながら、前後の事情を、いろいろ思…

『鬼太郎夜話』はすごい

この適当さは、とても尋常な精神から出たものとも思われない。水木のマンガなんて、どれも一緒で、異変が起こって、解決して、講釈が付くんだろ、とばっかり思っていたが、『鬼太郎夜話』はとんでもない。異変も起こらない、というか、ずっと異変がつるべ打…

富めるもの、貧しきもの

豊かなものがさらに豊かになり、貧しいものがさらに貧しくなる、というような話をきいたとき、たいてい私たち日本人は、強者や社会がそうするのだと思うものだが(たとえば『悪魔くん千年王国』において水木しげるはそう考える)、新約聖書によると、 あなた…

ゲームのような映画

私が生まれた'70年代から、映画は積極的に過去の映画から自らをひねり出すようになっていて、この風潮に気付いたオーソン・ウェルズはなんとも慧眼だったが、ここ十年くらいの逡巡を経て、とうとう映画は過去の映画どころではなく、テレビゲームから発想され…

志賀直哉

自分で言及しておいて、読んだことがないというのも、間抜けな話なので、読み始めた。志賀は、中学生の頃ラジオで「剃刀」を聴いて以来である。とりあえず「和解」から。

『悪魔くん 千年王国』(ちくま文庫)

昔のマンガだが、かえって新鮮。前半の悪夢的展開が好き。手塚の『ばるぼら』と比較してしまったが、水木には「意志」みたいなのがないので、より悪夢らしいのだ。

『座頭市 あばれ火祭り』

大原麗子といえば、私の世代は『料理天国』のウイスキーのCMだったわけですが、若い頃は、いまの安田美沙子にも似た美人だった、という発見。

『ランボー 最後の戦場』

あまりに凄惨で、途中から心が麻痺してきた。しかし故郷に帰るという落ちには、ちょっとかっくり来たな…。30年の遠回りかよ! みたいな。あるいは、また巡査に絡まれるんじゃないのか、なんて。

大いなる助走

ふと思い立って『大いなる助走』を読み返してみたのだが、前に読んだのが私が高校生のころで、そして私は別に早熟な高校生ではなかったので、このくらいの長さの小説を読むのも億劫だったことなど思い出しつつ読んだのだが、なんというか倫理のことを思った…

ナチスとハイデガー

たとえば、↓ http://homepage3.nifty.com/bunmao/0211.htm私なんかが軽々にいろいろ言えるような問題ではないらしい。これは類書を追う余裕がないので、打ち止めにしようかな。 第5章は、ナチスとの蜜月が過ぎてから、隠者的になって政治への発言をしなくな…