平和と妄想と男

『走れ! タカハシ』はじめて読む。面白い。村上龍にはめずらしく関西弁の語り手が出る。

平和な時代に若い男の妄想は笑ってすませることができるけれど、若くない男や平和でない時代の男の妄想は笑えない。村上龍がいいたかったことがやっとわかるようになってきた。

偶像は落ちるか

唐沢検証ブログに書いたことの続きだが、どうも偶像が落ちるというのは違和感があるのだ。像だからね、像が動いたらそれこそオカルトじゃないかとおもうわけ。

欄間の遺影が勝手に落ちたとか、お地蔵さんの位置が知らぬ間に変わっていたとか。

アイドルはフォールするものなのかもしれないけれど、偶像は落ちないだろう(手元の英英辞典には熱狂の対象となる人物もふくまれるとある)。飛ぶ受け皿を、なぜか格調高く(?)空飛ぶ円盤などと訳したことと似たようなニュアンスを感じるのだ。

とはいえ、もし誤訳であったとしても、流通してしまっているようだからしょうがないか…。