『殺人者はライフルを持っている!』

とても面白い。興奮した。映画が、知的な綾をそなえている。

この作品の原題は「ターゲッツ」。劇中に即して訳すと「各種標的」というところだろうか。

引退を決意する老俳優と、家族を手にかけたのち無差別殺人に走った狙撃犯との人生が交錯する顛末。

現実を離れて虚構に生きていたホラー俳優が、その虚構、メディア環境に育った若者たちによる狂気を目の当たりにする、という話の筋が面白い。現実もまた虚構の合わせ鏡であることを表現するのに、この映画の作者は、狙撃犯を、ドライブインシアターのスクリーンの裏側から人々を狙撃させるのだ。

「ゾディアック」で名前が出た、銃弾の商品名「スーパーX」、その黄色と赤色のパッケージが何度も出てくる。