「負け犬の遠吠え」を読む

 友人との会話で話題に上った酒井順子著を読んだ。

 これももう5年前の著作である。

 個人的に「これは唯脳論の実践編だ」と思った。スペアを作成しないバンド(集団)は、どんどん老いゆくのみなのである。そして個体はひたすらに情報化を進めてしまうので、ますます新規カップルに参加しにくくなってしまう。キャリアとか趣味とかの語でかたられるのは、つまりは「情報による個別化」なのだ。

 イヤ汁という言葉が面白い。

 個であることと集団を形成することとは、想像以上に矛盾するものなのだ。