『恋空』が批判されて『初恋』がされないのは変

 ヤンキーに見初められた女の子が、妊娠のすえに結婚まで決意するが、ヤンキーが不治の病に侵される。ヤンキーは女の子の幸せを思って、女の子に理由を告げぬままそのもとを去ってしまうのだが。

 周囲で悪評嘖々だったので、三軒茶屋まで行って『恋空』をみてきたが、べつに天邪鬼でいうのではなく、いまどきの普通の日本映画だと思った。妊娠を告げられた男が、女におめでとう! と祝福するのがおかしいという意見があったが、映画として許容範囲だと思った。

 ぎょっとするぐらい登場人物周辺のディティールが貧弱なのは気になった。高橋ジョージの事業って、いったいなんだったのだろう。主人公の姉は恋愛とか結婚とかしないのか。

 個人的には、新垣結衣がときどき池脇千鶴のような表情をするのが面白かった。しかし、これが悪評嘖々だったら、宮崎あおいの『初恋』だって、そーとーなもんである。なんでこっちは批判しないんだ。