ゼア・ウィル・ビー・ブラッド、八つ当たりの連鎖

ラストに唖然。こういう落ちなら、それまでの映像の格調高さが無駄に思えてくる。日本人だったら、稼ぐが勝ちなんて言われても、そりゃそーだろでオシマイだから、こんな映画は、作らんなあ。あの兄弟を一人二役にするのも、図式的で気に食わん。

ラース・フォン・トリアーの悪意は、観客と意地の悪さを共有しようという、よこしまで生暖かい連帯感がまぶしてあるのだが、ポール・トーマス・アンダーソン(ん、ポールか…)のそれは、ただ幼いだけなのだ。30歳で『マグノリア』なら、秀才なのかも知れないが、37歳でこれだったら、そろそろ大人になりなさいよと思うだけだ。

たまたま直近に『アンタッチャブル』を見ていたので、ボーリング部屋の床に流れる血に、笑ってしまった。