エリック・レッド脚本『ヒッチャー』

以前見たはずなのに全く内容を憶えていなくて、それでまた借りたのだが、なんでだか理由がわかった。なんの落ち度もない女の子を、悪者に殺させているのだ。これ、だめだろ。ああ、私はモラリストだなあ。あんまりいやな後味ゆえに、私は私の記憶から抹消していたのだろうか。

しかし、これ、全体的にも『激突』だよね。『アントン・シガー対ジョン・ライダー』という馬鹿映画のストーリーが一瞬脳裏をよぎったが、まあ私は評価しない。

しかし映像的には惹かれるなあ。80年代的孤独感、空虚感。主人公もベビーブーマーの子供然としていて、ようするにイノセントな坊やが悪を知る話なのだ。あのころの若者は情報に毒されてない無垢な存在として映画で描けるギリギリ最後の世代だったろう。いまだったら、ジョン・ライダーへの対処法なんか、楽勝でネットにあがっているに違いないゾ。