中世西洋は成功したか

キリスト教が浸透したせいで、中世西洋は他地域より卓越した、と言いたい気がするのだが、別にそうでもないのだ。先にモンゴルが大帝国になってヨーロッパに攻めてきたし、大航海時代はもうルネサンスなわけで、それはまあ世界にキリスト教を広めるのだという建前はあったし、中世だって、民衆を教化しようとしてスコラ学(修道院に対する学校=スコラ)だったわけだが、じゃあ中世のキリスト教の意義って何ということになる。ヨーロッパ全体が喧嘩しながら結果的に鎖国のような状態を保って、いろいろと自分らしさを育んでいた時期、ということなのか。

近世に入って、他人種に対してのみおのれの強欲を解放したことが、ヨーロッパの成功の理由なのだろうか。なんで西洋人はキリスト教を信じたのだろう。ただの偶然なのか。

だいたいキリスト教西洋史における重大な要素だと、私が気にしすぎているだけなのか。ローマ帝国の国教になった事実が後々まで響いたにすぎないのか。

とすると、やはり、日本人が自分と関係ないキリスト教原理主義を話題にすることこそが、私がまず直面するべき問題ではないか。よその人が道理にあわないことを信じていたところで、どうしようもないやんか、というのが、まあ冷静な知性というものだとは思うが…。