大組織の犯罪

図書館の仏教の棚で、ふと目に付いた島田裕巳著『オウム なぜ宗教はテロリズムを生んだのか』のなかみを一瞥したのだが、本のはじめのほうで、オウムがおこした一連の犯罪が、はたして本当に麻原の意思によるものだったのかどうかを、島田はうたがっていて、私はちょっととまどってしまった。

東京裁判や、戦争責任は天皇にあるかないかの話とおなじで、そりゃ個々のケースにまで、麻原の密な関与などあったはずはないではないか。(私は、昭和天皇は早く降参しなかった責任ならあると思う)

日本軍(まあ存続しているといえる)から公害企業(四大公害で有名なチッソ三井金属鉱業昭和電工も存続している)からオウム真理教(存続している)からライブドア(存続している)から雪印乳業メグミルクはブランド名であって、存続していたのだ。なくなったのかと思っていた)まで、バカが群れ集って勘違いした挙句の愚行を裁く法っていうのは、実はないのだ。組織犯罪処罰法というのは最近(6年前だが…)成ったが、これでホリエモンを訴えろ(できないが)と投資家が叫んだ、という話は聞かない。