ようするに…

国家も民族も企業も地域共同体も家族も、信頼には足らない組織体でしかない。しかし個人はそれらの助けを借りなければ生きていけないから、どうにかうまいことそれらの組織とかかわりつづけなければいけない。しかも話はこれでおわりではない。最後はおのれの肉体さえもが、生老病死によって崩壊していく組織体でしかないという現実に、個人の人格は直面するのだ。信じるに値するものは、なにもない。