やらせ

そんなことを思い出したのは、「ゆきゆきて、神軍」のアマゾンレビューで「ヤラセ」などと書いている奴がいるのを発見したからで、なるほど奥崎謙三が「演技」していた、といったことは原一男も書いている。しかし、いくら奥崎が「演技」していたって、警官とか、奥崎に殴られる山田吉太郎とかが、実は役者で、相対ずくで殴られるふりをしていた、というのでもない限り「ヤラセ」ではないのである。何かえらそうに「ドキュメンタリーの真贋」とか書いていたが、馬鹿まるだし。http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20080729

ドキュメンタリーの真贋リトマス紙的作品, 2008/6/13
「衝撃のドキュメンタリー」公開当時は話題を呼んだが、作品中の奥崎は明らかにカメラの存在を意識した言動に終始していて、公開上演されることを前提とした行動はどう考えても「ヤラセ」以外の何ものでもないのではないか。しかもいかに自分を美化するかに腐心した言動がバレバレで(「軍隊で私くらい上官を殴った男はいない」自慢事のように奥崎は言っているが、「その後死ぬほど殴り返された」という事実に触れていない)、弱いものには暴力で、強いものには尻尾を巻いて逃げ出す奥崎謙三という「大根役者の演技」を臆せず曝け出した原一男の突き放したカメラワーク以外ドキュメンタリーといえる部分はない、不可思議な記録映画だとしか言い様がない作品である。これがドキュメンタリーならプロレスもよゐこ無人島生活も真実といえるのではないか、何でも素直に信じたがる人々にリトマス試験紙のように突きつけるには意味があるかもしれないが、「カメラは事実に対して中正を貫く」未だにそんなことを信じている人にだけ勧められる作品である。 http://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/A2WEQ6H00E68WH/ref=cm_pdp_reviews_see_all?ie=UTF8&sort%5Fby=MostRecentReview
(太字は引用者による)

佐藤氏はべつに「馬鹿まるだし。」というほどとは思えないが…。というか、こういう文脈なら、太字部分の佐藤氏によるフォローもあることだし、『神軍』を「やらせ」と呼んでも、まあ、いいのではないか。