『バットマンビギンズ』を見直した

 ブルース・ウェインが悪を体験し恐怖を克服する旅の途中で摘んだ青い花を悪用して、ラーズ・アル・グールゴッサムシティを滅ぼすための幻覚剤を生成したり、父親の建設したモノレールの線路を(街を守るという父の遺志をつぐ理由から)破壊したり、なかなか筋が通っている。見直した。散漫な作品という私の印象は誤っていた。ゴードンの同僚や、スケアクロウ、ギャングの幹部など、せこい悪が(つまりはリアルな悪ということだ)死なないというのも、裏設定なのだろう。焼け跡で復讐の無意味を説くというのも、2005年の映画としては立派なことである(『スパイダーマン3』に2年ほど先んじたわけだ)。さあ、『ダークナイト』の次が楽しみになってきた(数年後なのだろうが…)。