宗教と教育

私がいま読みたい小説は、主人公が新興宗教の信者の子どもで、世間と家庭のギャップに悩むとか、そういうものである。

いまだに宗教は生活に大きな影響を及ぼしているのに、現代日本のマスコミはそれをないものとして扱っていて、とても偽善的なのである。

内田せんせえの言説のような恵まれた層の太平楽だって、要するに「戦後教」なのだが、自分が宗教やってる自覚がないらしいのはなあ、である。「真実(らしきこと)」を僭称する言説は、宗教にきまっている。

もう自意識の開示とか、そんなことされても食指は動かないのである。村上春樹にはもとから興味はないので用心のしようもないが、中村うさぎとか、真面目な人なんだなあと思うばかりである。もっとみんな人と人とのギャップに注目しようよ(自分と世界とのギャップ、ではない)、それが観察力ということなんだから。