罵倒語の「タコ」

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20081220へのコメント

動作が鈍くて不器用な物、またそれが原因で使いにくい物を差す俗語
http://ja.wikipedia.org/wiki/タコ_(曖昧さ回避)

ホントか?

だいたい、どういう状況でどういう相手に「タコ」と怒鳴りつけるのか、いまいち不分明なのだ。バカのかわりのようでもあるし、グズのかわりのようでもある。ウィキペディアを信用するとすれば、猫猫先生を罵ったおっさんの用法は(おっさんの主観のなかでは)正しかったことになる。

だいたいタコって動作が鈍いか? これは私みたいなテレビっ子世代が、幼児の頃から海中のタコの生態を撮影した映像に慣れているなどの理由から、かえって共有していない認識である。戦前は、市場の店先でのたくっているのが「本当のタコ」で、現代はテレビの中の海中で泳いでいるのが「本当のタコ」なのだ。

80年代のテレビ業界で、バカやアホが禁止されたゆえの苦肉の策が「タコ」ということだったのだろうか。で、その際にたけしやその周辺のブレーンの頭に浮かんだのが、かつて労務者を指した隠語であった「タコ」だったのではないか、と…。

タコがすっぱだかに赤いふんどし一つで、道路工事をしているのを、啓造は、学生時代に旅先でみたことがある。(三浦綾子『氷点』角川文庫版、上巻61ページ)