事実に拠らないから思想なのだ!

ひさしぶりに養老先生の旧著をぽつぽつ読んでいて、その流れで、野口武彦荻生徂徠』(中公新書)なんかに手をだしたりしている。

正直よくわからないというか、江戸の思想家たちにはついていけないというか、観察もしないで、世界のあれやこれやについて考えることに何の意味があるのだろうと思うのだ。

しかし、そう思ってハッとしたのだが、そうか、俺は科学とメディアが隆盛している環境に取り囲まれて錯覚していたのだ! 事実に拠らないからこそ、昔の人は思想していたのだということに、これに気付いたわけである。