『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』

演出が丁寧すぎて、テンポが遅い。

急速に景気を冷まさなかったせいで、日本経済が順調に成長する?ハッピーエンドになっていて、たとえば、芝浦とお台場のあいだにレインボーブリッジが何本もかかっていて、ようするに同じ施設が複数ある、つまり量が豊かなので経済も豊かなのだという表現をしていて、まあ、ゆるいのだが、なぜか、それほど気にならない。

終盤の、研究所での、阿部寛と悪漢たちとの乱闘シーンのBGMが、ほのぼのしているので、つい笑ってしまったのだが、ようするに、全体的に懐古調なのである。洗濯機がタイムマシンになることに、あれこれ理屈をひねる気なんか、たぶんない。人体が入る家電のうち、冷蔵庫と比較して、タイムマシンとしてなら洗濯機の方が、それらしい。そのぐらいの議論しかしていないだろう。また、広末涼子が、自分の娘だと知ったとたんに、阿部が軟派な態度を豹変させるのも、べつにギャグとか関係なしに、老年がみえてきた製作者の自然な心境なのだろうな、と思った(2007年の「現在」において、広末に彼氏がいないというのも、ようするに製作者の「父親」としての願望だろう)。

それにしても、飯島愛がでてきたときは、事前に作品情報を得ずにみていたので、軽く怖くなった。