ブロスナン以降の007監督たち

ゴールデンアイ』と『カジノ・ロワイヤル』を監督したマーティン・キャンベル(1940年生)と、『ダイ・アナザー・デイ』を監督したリー・タマホリ(1950年生)はニュージーランド出身。イギリスの旧植民地出身なので、このあたりの縁はまあわかりやすい。

トゥモロー・ネバー・ダイ』のロジャー・スポティスウッド(1945年生)はカナダ出身。なんだか律儀にアメリカ出身者を避けているのか。

ワールド・イズ・ノット・イナフ』のマイケル・アプテット(1941年生)はイギリス人で、この人の経歴はちょっと面白い。『愛は霧のかなたに』の監督なのだが、ドキュメンタリーで七年ごとに十数人の人生を四十九歳まで追いかけた番組をつくっているそうだ。

慰めの報酬』のマーク・フォースター(1969年生)はドイツ出身でスイス育ち。『チョコレート』がアカデミー主演女優賞を獲ったからか、大きな作品を連発している。『ネバーランド』『主人公は僕だった』『君のためなら千回でも』…。しかし、フォースターは一作きりの監督であることを公言しているし、そもそも『慰めの報酬』は、内容的にほとんどボンド映画とは、いえない…。