『新宿インシデント』

都市論と身体論の格好の教材のようで、興味深かったし、面白かった。

編集が流麗すぎて、どうも数年あるいは十年くらいにわたる物語のようなのだが、そういう感じがしない。竹中直人たちがシーンごとに老けメイクすればよかったのではないか。

余裕と落ち着きを求めて、歌舞伎町の顔役のひとりに成り上がったジャッキーは、郊外にトラクター店を構える。ほら、やっぱり問題は郊外化にあるんだ。職住分離したために、ジャッキーの子分の心がジャッキーから離れていく。

阿傑演じるダニエル・ウーのメイクが『ブレードランナー』のプリスみたいで、ちょっと怖かった…。