『グラン・トリノ』は凡作である

姉を犯されて復讐にはやる少年を、イーストウッドは自宅地下室に閉じ込めて、人を殺す気分がいいものであるはずはないなどと説教をするのだが、ここはどうもイーストウッドに似合わず芸がなくて直接的でありすぎる。

もしかしたら1990年代生まれの観客にも伝わるように、かなりくどく描いておこうとでもイーストウッドはおもったのだろうか。

財産分与の遺言を読み上げるシーンも、くどい。『チェンジリング』が直近にあるから、このくどさは、年齢のせいではないはずだ。