伊丹十三

マルサの女2で悪がはびこるエンディングにして、それが受け入れられなくて、そしてあげまんを作ったら、ヒットした。時代はバブル崩壊直前で、つまり、多くの人は目前の景気が終わることを考えていなかった。

お葬式タンポポマルサの女あたりまでは、自分の好きなことを存分にやってる感じがあるが、あとはわりと面白くないし、作っている当人が面白がってない雰囲気が伝わってくる。

最初の三作はなぜか影が深い。実験映画のしっぽが残っていたのか。ロケの映像が白っぽくなくて、それが伊丹映画と他の八〇年代日本映画を区別していた。引きの映像があまりないとかも。後期の作品もおなじ撮影監督だから、監督の判断で画面を「明るく」していったのだろう。