想像力の時代

黒沢明素晴らしき日曜日を見た。よかった。私にとっては七人の侍などよりもずっと尊い映画だと思った。ないものを想像力によってあらしめる。こういう映画をみると、それこそ大江健三郎大島渚の世代の想像力が不幸であったこと、学生運動世代の想像力が不幸であったことなどを思う。大江など想像力という点においても遅れてきた青年であることを逃れられなかった。

昌子が映画の観客に呼びかけるシーンの「想像力」は素晴らしい。昌子の前には、観客たる私の存在はない。しかし私自身は存在している。そして私の姿が、昌子には「見えている」!!!!!

もちろん七人の侍は、チャンバラが解禁になったので、すげえものを観客に見せてやろうということなのだろうが…。黒沢において重要なことが、想像力の問題から気迫のそれへとうつりかわった瞬間だった。