『フォース・カインド』

やはりUFO好きなだけじゃ映画はつくれない…。

 いや、わかるんだけどね。超常現象「そのもの」は、「実際の映像」に記録されてないし(肝心のところで毎回画像が乱れる)、再現映像の特撮は証言をもとにしているということでしょう? 「フェア」で「リアル」な映画だよとうそぶくのはわかる。

 しかしなー。だとすると、あの警察署長(『プロフェシー』では被害者だったウィル・パットンが演じる)って、主人公の精神科医の女がおかしくなったことを知りつつ彼女に医療行為をさせてたということになるだろう? そりゃあ変だよ(だから映画への協力を拒んだってか?)。

 どうもシュメール語が原初の言語で、それは宇宙人から人類につたえられたのだ、ということを言いたいらしいが、日本人の私からしたら、そんなのなにが面白いんだか、である。『コッポラの胡蝶の夢』も見ていて白けたなあ。

 ミラジョボ(ヨボビッチって名乗ってたな…)もイライアス・コティーズも、芝居はうまい。ダメな作品だが、そんなに損した気にもならなかった。