不在の変遷

帆場ははじめは幼少時に死亡している設定だったらしい。柘植は存在したが、彼が演出した「戦争」は存在しなかった。

 『GHOST IN THE SHELL』では、現象している義体が「本体は存在しない」と高らかに宣言する(親切なプログラムだな…)。『イノセンス』では、犯罪の原因(犯罪の要素?)たる実体を追い求めたら、ちゃんと体をもった女児がいた。とはいえ直接の実行犯はヤクザに殺された出荷検査官だけど。キムとも素子ともコミュニケートできたバトーは、しかし、あの検査官とはコミュニケートできない。死んでるから(でも検視によってアル中だったことがわかったりする。知ることはコミュニケーションではないのだ…)。

 で、『スカイ・クロラ』ということだったんだろうな。死すらこえて輪廻の世界へいっちゃった。