親と私小説 星新一と吉田健一

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20100516
星新一なら「殿さまの日」は、わりと「大人の小説」のうちかな、と。大人の小説だと思って読むと子供っぽいですが(あはは、いま確認したら文庫版の解説が武蔵野次郎だ)。

星新一吉田健一は、そういえば作家のプライバシーに関心をもたない読者には星一の息子だったり、吉田茂の息子だったりすることは気にならない。星も吉田も父親に言及したり評伝を残したりしているから、まったく知らずにいることも難しいだろうが。

いまはじめて気づいてはっとしたのだけれど、吉田は談話で若い頃小説を書こうとして書けなかった(だから文藝評論家になった)という話を実感込めてしていたけれど(吉田健一集成のどの巻かで読んだ)、この「小説」って私小説のことじゃないかと、うかつなことにいまごろ悟ったわけ。