青春・パロディ・日本語・政治(井上ひさしの持ちネタの数々)

むしろペンクラブ会長就任など井上の社会的活動はこのあと活発化している。http://bit.ly/c9jYTy


どちらかというと、井上の社会的活動が活発化したことに西舘がいらついてあの本が出たということなのだろう。それにしても井上夫妻(当時)の関係はワーグナーとコジマのようだ。井上のさらなる共産党への接近は、そうすれば客の入りが堅いことを見越したのだろう。ワーグナーバイエルン王室に取り入ったのと、あるいは、芸能人が宗教団体の広告塔になるのと同じ理由であろう。もし西舘が井上から殴られないことを生活における至上目的とするのなら、先んじて編集者に「もっと殴られてください。主人の作品のために」と言うべきだった。サドはマゾに容易にスイッチするということのひとつの実例として、後妻(共産党エリート)の讒言を井上が嬉々として受け入れたというエピソードを受け止めるべきだろう。

西舘は『ライ麦畑』を読んだことがあるのだろうか。22章*1のフィル・ステイバイルこそ「井上ひさし」なのだ。西舘もホールデン・コールフィールドと同じように彼が憧れるジェームズ・キャッスルのようにはなれなかったわけ。

*1:ほら、検索する手間をはぶいてやったぞ