2010-05-21から1日間の記事一覧

『ライ麦畑の守護天使』

どうも裏側からキリスト教をえがいた小説だなと思ったのである。主人公のホールデンは、自分の身の回りから、順番に、友人やら教師やらが信頼に値しないことを説きはじめ、彼らから「解離」していく。学校を捨てて、家庭に戻る前に、都会に立寄り、「よりど…

共産党から嫁をもらうだ

週刊金曜日〈2006〉この日、集合。―「独話」と「鼎談」作者: 井上ひさし,小沢昭一,永六輔,矢崎泰久出版社/メーカー: 金曜日発売日: 2006/08/01メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (5件) を見るこの本の22ページのくだりを読むと、井上ひさ…

村上春樹の『ライ麦』翻訳

「ぶちまけた話」は、「ぶっちゃけた話」か「じっさいのところ」か「正直なところ」あたりにしといたほうが良かった。「ぶちまけた話」なんて、16の餓鬼が使うわけないっての。

青春・パロディ・日本語・政治(井上ひさしの持ちネタの数々)

むしろペンクラブ会長就任など井上の社会的活動はこのあと活発化している。http://bit.ly/c9jYTy どちらかというと、井上の社会的活動が活発化したことに西舘がいらついてあの本が出たということなのだろう。それにしても井上夫妻(当時)の関係はワーグナー…

だから…

井上ひさしが遅筆だったことのほんとの理由がみえてくる…

恐ろしい本である

ライ麦畑のミステリー作者: 竹内康浩出版社/メーカー: せりか書房発売日: 2005/06/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る『ライ麦畑でつかまえて』についてもう何も言いたくない―サリンジャー解体新書作者: 竹内康浩…

キューブリックは作家に嫉妬する

こりゃもう鉄板だな。どう考えたって『博士の異常な愛情』の原爆だか水爆だかの投下シーンは、『ライ麦畑』へのあてこすりであろう。後年のスティーブン・キングへの嫌味といい、キューブリックにはこういう陰湿な一面があった。しかし、砲弾にまたがって空…

ヴァージニティとイノセンス

『イノセンス』の登場人物たち、バトーも素子も、当然のことだがヴァージニティにはこだわっていない。これも当然ながら子持ちのトグサも同様。彼らは交わりの段階を過ぎてしまったから、もういちどイノセントで単性的な時間を迎えているのである。『ライ麦…