『少年メリケンサック』

意外や意外、ものすごく面白かった。

宮崎あおいが、ときどき、高村薫のように見えて、ちょっとウケた。本当に打ち込むべきものを見つけてないから、軽い躁のような状態になって働いている。サーチャーから、マネージャーへ。『インスタント沼』は、そのままでもいいじゃない、ミロを毎朝練る生活だっていいじゃない、と呼びかけるような映画だったが、『少年メリケンサック』はそうじゃない。

すごくお金がかかっているのがよくわかって、これはうらやましかった。だから、映画としては反抗を表現する内容ではない。しかし『インスタント沼』のようにオカルト話に走らないのがいい。