こどもの頃は…

アメリカでやってる映画はみんな日本に入ってきてテレビで流されてるって無邪気に思っていた。しかし、よく考えたらアメリカだってカリフォルニア州だけじゃないんだし、「アメリカでやってる」という考え方じたいがナンセンスなものだ。

胎盤が母体の血液を濾過して胎児に送るように、日本はアメリカからアメリカならざるものを抽出してアメリカだと思うのだ。21世紀に入ってからも『ラスト侍』なんて作ってくるアメリカ人に、日本人は心のなかではあっけにとられたのだけれど、「まあ映画ですから」。

アメリカ人は日本人のつくる映画をあんまり見てくれないけれど、例えば夏エヴァ(10年以上前のほうですよ!)なんか、どう思うのだろう。心が一つになるために身体が融解して液体として混合する。べつにあの映画が日本人の本意であったり、総意であったりはさらさらないのだけれど、こんなめんどくさいことするならさっさとキリスト教を信じりゃいいじゃないか、アメリカ人はそう思ったりして。

そういえば『GHOST IN THE SHELL』の海外版を新宿テアトルで10年前くらいに見たけれど、なかなか呆気にとられたものでした。音が違うだけで、こんなに違うのかと。