騒霊は騒ぐ霊、幽霊は幽かな霊

『ねじの回転』を手にとったついでに、『心霊現象を知る事典』(春川栖仙編 東京堂出版)を読んでいる。

19世紀の人は、心霊現象研究に近代が訪れた! と勝手に思ってしまったらしいのだ。ハイズヴィル現象からSPR創設の流れまでは、私は『幽霊を捕まえようとした科学者たち』で予習済みである。

ヘンリー・ジェイムズは兄も参加していたSPRの心霊現象に関する知見を大量にぶち込んであの小説をつくった。まさしくフロイトの『あるヒステリー分析の断片』などと同時代の産物なのである。