ダメなほうの、宗教

僕はもはや、導かれたり、励まされたり、焚きつけられたりするのは御免だ。(『若きヴェールテルの悩み』角川文庫 佐藤通次訳)

これもたまたま『ねじの回転』と一緒に買ったもの。書簡体小説のことを後代の我々は形式として感受するが、当時としては形式破壊だったのかもしれないよなあ。

神はなにかを計画して僕らを導き、焚きつけている。しかしその目的は明かされない。明かされたら神と僕らは同格になってしまうから。明かされないゴールはどこなのかを探りながら必死に走っていくのが僕らが生きていくということ。でも、僕らはもうそういうのに耐えらんない! 若いゲーテはパンク宣言してしまったのだ。