『エアベンダー』

『レディインザウォーター』や『ハプニング』には、ちょっと大丈夫だろうかと思えるような箇所があったので、こういう路線変更はよかったのではないかと思う。

ハリーポッターロードオブザリングあたりからはじまったここ10年のファンタジー映画の流れからいうと、この2者を中道系としたら、パイレーツオブカリビアンハムナプトラなどはにぎやか系と呼べて、『エアベンダー』は、これらから距離を置いた静謐系とでも看做すべきか。いわゆるチャンバラはあっても、それほどえぐい格闘シーンはない。あるいは火の国の王子のように画面にあらわれたときから傷を負っているのだ。

世界で唯一の能力を獲得する運命から逃げた少年(アン)と、父親から傷を受けなかば放逐された王子が、みずからの運命を全うする物語となる…ようである。続編が作られるのならば。

そんなに悪くないのではないかと思った。