あはは、小谷野さんが小島信夫についてコメントしている

私はいちおう『うるわしき日々』にも目を通したいとは思っているが、たしかに小島の関心は「身辺雑記」的な、微細な差異に注がれがちなものであったのかもしれない。性の問題について、こう解かれても困る、と読者(私)が感じてしまうような傾きが小島にはある。若いころの(といっても30すぎの)柄谷行人への注目など、そのあらわれといえるかもしれない。新潮現代文学小島信夫集の解説を柄谷が担当していて、その「理屈言い」の「使えなさ」に私はつい苛ついたりもしたのである。