経済的には商業出版との図書館の関係は映像におけるユーチューブのようなものであるか

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20110226
自治体がベストセラー本を何冊も買うのはおかしいとは思う。これには国が法律をつくって自治体に購入冊数制限を課した方がいいとは思う。

とはいえ、A>Cかどうかは一概にいえないんじゃないでしょうか。本の分野によるのでは。娯楽小説を自治体が住民に供給するのは、自治体が住民に二週間にわたる立ち読み(館外貸出のこと)を許しているようなものなのかもしれない。

一般読み物で生計をたてる側にとってみれば、読まれることと経済的な利益が両立しなければ困るわけだ。このあたりのことは山本夏彦がくりかえし話題にしている。「いい本だからみんなで一生懸命筆写して回覧しましたなんて真顔で語るんだ。冗談じゃない。ちゃんと買って読みなさいよっていうんだ」

経済(学)というのはありそうもない仮定からひきだされる「現実」を、実際の現実と比較するようなところがある(学問だ)から、私としてはなんだかまじめにつきあう気になれない。捕らぬ狸の皮算用をみんなが常識としている。私なんかは、ことわざは、「無理が通れば道理が引っ込む」のほうが好きなんだが…。

樋口氏の原文を読んだわけではないのだが(図書館に本はあるのかな…)、「図書館に置くな」というよりも、「図書館に2冊以上置くな」と言った方がよかったのではないかと思う。

図書館というのは、結局は、自治体の記憶庫にすぎないのだ。同じ本が2冊以上記憶庫にあったら、無駄な重複でしかない。また、ライターの側にたいして酷なことも言ってしまうが、身も蓋もない言い方をすれば、事業などというのは、経済的に余裕のあるものだけが興すべきなのだ。著述業というのは、やとわれてする職業なのではなく、自営業である。