フロイト先生最大のウソ

抑圧していたトラウマ体験を思い出せば神経症は治癒する、というのは、おちついて考えたら分かるけれど、ウソである。

トラウマ体験の元凶である存在を滅ぼさなくては。

アメリカというのは過剰にフロイト的な国家だと思う。トラウマは捏造されるものでもあることは、あの国のふるまいを見ていると容易に理解できる。大は戦争の大義から、小は幼児虐待の記憶の捏造まで。

小説『ハンニバル』で、クラリススターリングを自分の妹にしてしまおうと考えたハンニバル・レクターは、スターリングを洗脳するために、スターリングの父親の墓をあばき、その中にあった父親の死体をスターリングにみせつけ、また父親代わりの憎悪の対象であった上司のポール・クレンドラーの脳をふたりの晩餐のメニューに選び、絆を深める。

内科医とか精神科医とかは、情報技術の発達した現在、その存在はリストラの対象なのだ。問診して薬を処方するだけなのだから。宮崎純さん経由で茨木保のマンガを読んだのだが、医者は医者で盲点があるなと思うのは、もはや、医者の言葉で安心したがる患者ばかりではないからである。

増加している自殺者は、要するに、「医者の手は借りません」と言っている、そう考えることがなぜできないのだろうか?

もうちょっと深く考えてくれないかと、いろんな人の発言を読んで思うのである。