とりとめなく2点

 もしも江戸時代に、放射能汚染とひきかえに、米の豊作を保障するようななんらかの技術が発見されていたら、為政者は、その技術と引き換えに、自分たちの土地を汚染するような行いに出ただろうか。

 呉智英を賛美していいのは、実は逮捕者だけなのかもしれない。知識人に扇動されることをことあるごとにいましめる呉だったが、ようするに過去の自分を戒めているのではないか。逮捕者にとっての現代社会は、封建時代のそれと何ら変わりない、かもしれない。呉が自己を封建主義者である、と規定するのには、皮肉をこえた、存外切実な感傷が込められているかもしれないのだ。