『ヒアアフター』

J・エドガー』もそうだったが、秘密をもった少数者がつどって連帯をむすぶモチーフが、イーストウッドは本当に好きなのだろうな、と思う。彼にとって映画的であると感じられるモチーフは、わりとチャップリンのそれに近いような気がするのだ。『ヒアアフター』のエンディング(いままで他者のヴィジョンを強制的に見せられてきた男が、はじめて自分の夢を見ることができる)は、『街の灯』の優しい変奏である。すっかり癒しの作家になってしまったなあ…。