陰謀のセオリー

小谷野さんの『極東セレナーデ』への漫罵の文意がとりづらく、「新人タレントを原発安全CMに使うなんてことはマネジャーだって所属会社だって嫌がることで」というのが、小林の前提であって、それが小谷野さんにとってありえないということなのだろうか。今ではなくて当時だったら、タレントが喜んで出ることもあっただろう、と。


それとも主人公が、そのちかくの人間を失脚させるべく策動する人間の的になってしまう、というのが「ありえない」のだろうか。


たしかに、芸能人が反原発をうったえて仕事を失う、というのは、わりに多くの人に共有されるにいたった認識枠組だとは思う。裏で、電力会社や広告会社が手をまわして、彼らを干しているのだ、と。