「ソウ」シリーズの機知

映画「ソウ」の第一作は、ソフトが出回るようになってからわりと早い段階で見て、けっこう楽しんだのだが、続編にはなぜか食指が動かなかった。


シリーズはずいぶん長く続いて、7作目でやっと打ち止めだそうで、よくそんなに続編が続いたなあと思った。


昨日、有料配信サイトで、全作を通して見たのだが、続編というよりは、外伝というか再話、語りなおしの手法で作品をつくっていて、これには製作者たちの機知をいたく感じたのである。


後付けの設定をだらだらと続けて映画を構成することは一般には下手なやりかたと意識されているのだが、多分続編のことを考えずに面白さ優先でつくられたであろう第一作にたいして、どのような膨らまし方が可能かスタッフらが知恵を絞っているさまがうかがえて、これはとても楽しいシリーズだった。


陰惨な人体損壊ゲームを仕掛けてくる犯人が、じつは被害者を悪人から選んでいたという設定が明確になってくる5作目から、だんだんありがちな感じの平凡な作になっていくが、2、3、4作目あたりはかなりいい。作り手が観客に仕掛ける騙しのテクニックのあれこれに唸らされた。