2010-05-29から1日間の記事一覧

『リア家の人々』

どうしても『ニレケノヒトビト』を連想するよな。北の小説をかつて橋本は絶賛していたし。砺波文三はもうひとりの本多繁邦なのかと思った。近未来小説としての『天人五衰』の拙さを橋本は指したことがあったから、今作はそのフォローという面もあったかもし…

思潮の変転(『リア家の人々』)

もともと学生運動というのは戦前からあるにはあって、しかし大衆を動かしたり大衆に知られたりするほどではなかった、どちらかというと青年将校の血気が知られていたくらいで、しかし戦後労働運動がまずおこって、そして学生運動が盛り上がってきて、1960年…

『日本文化論のインチキ』

『もてない男』から10年たって、小谷野さんがあの本こそは恋愛弱者論の嚆矢だったのだと念を押している。それ以前の散発的な先触れは小谷野さん自身が『恋愛論アンソロジー』に纏めてしまっているので、実際もそういうことになるのだろう(これは厭味)。私…