民主主義とはへんてこなもの、善悪という最大の錯覚

善悪という視点を捨てているから民主主義は面白くてへんてこなのだ。「よりまし」、というのは「善い」ということと全然違うし、「より善い」ということとも微妙に違う。「よりまし」という視点に未来はあまり含まれていないが、「より善い」ことは、「よりまし」が含有するより微妙に多く未来を含んでいるからである。

厳しい生存環境にいたかつての人類は、善悪という虚構を発明してそれにすがりついたのである、なんていうとまるでニーチェみたいだが、私は、別にそう悟ることが人類の厚生におもったよりは寄与しないこともうすうす感じてるから、ニーチェほどには高揚してこの思想を説くわけでもない…。『ほんとうの環境問題』で養老先生は、ぼちぼちやるしかないとおっしゃっていたが、それには賛成である…。